一気読み

サラバ!

物語世界の登場人物の人生と現実世界の自分自身の人生。絶対に交わらない異次元の世界で進んでいるそれぞれの人生。

家族、恋愛、宗教、国…色々な因子でそれぞれの人生が切り取られると交わらないはずの世界に最小公倍数や最大公約数が現れる。
その接点がミクロな点であるほど雷に打たれたような運命めいた深い共感を受けるし、その接点が現れる周期にリズムが感じられると心地良いと感じる。


芯が無い。


憶測ではあるが多くの人が共感できる接点ではないか?少なくとも私にとっては深い共感と心地よさをどちらも感じることができた物語だった。
その一瞬の接点を作るために小説家がどれだけの洞察力で世界を見ているのか驚嘆させられ、ある種の畏敬の念を抱く。だから物語を作ることを生業としている人は時として『先生』と呼ばれるのだろう。

作家先生

芯を持ちたい、作る側でいたい、自由になりたい。改めてそう思わせてくれる作品。
実用書やノンフィクション的な本を手に取りがちな私ですが、小説の良さを改めて教えてもらった1冊でした。
遅ればせながら、西加奈子さん今後もフォローしたい作家先生になりました。